アメリカのHuaweiに対する制裁により、9月15日以降、製品の供給は途絶えてしまいます。ただ、アナリストのミンチー・クオ氏によれば、9月15日以降Huaweiが部品供給を確保できるかどうかに関わらず、同社の競争力とシェアは、今後マイナスの影響を受ける可能性があると予測しています。
Huaweiは良くてもシェア減少、最悪スマホ市場撤退
同氏は、最悪の場合Huaweiはスマホ市場から撤退する可能性もあり、そうでなくてもシェアが減少するだろうと予測しています。Huaweiが失ったシェアはApple、Oppo、VivoとXiaomiが獲得すると考えられます。
Huaweiのスマホ部品に対する品質基準は高く、単価も高いため、Huaweiのシェアが減少すれば、サプライヤーは利益の獲得が難しくなる可能性があります。
同時に、Huaweiの競争力が低下することで、技術革新のスピードにも影響が及ぶと考えられています。簡単に言うと、スマホ部品に大きなコストをかけることができないため、新技術を生み出す事が困難になるということです。
具体的に言えば、Huaweiはカメラ、HDI(基盤)、SSDなどのストレージ、5Gチップなどのスマホ部品に高い品質基準を要求しており、常に新しい技術を求めています。Huaweiのシェアが減少し、競争力が落ちる事で、これらスマホ部品の成長もストップしてしまうという事です。
5G普及もサプライヤーの収益増は見込めず
2021年はスマホのサプライチェーンに更に大きな値下げ圧力がかかると考えられます。スマホ市場での5Gの普及率は2020年15から20%だったのに対し、2021年は35から45%に達すると予測されています。
一方で5Gスマホの小売価格はそこまで上がらないとも考えられており、そうなれば、スマホメーカー各社はスマホ部品サプライヤーに値下げを要求するしかありません。来年、例え5Gが普及しても、スマホ部品のサプライチェーンは益を受けられない事になります。
こういった理由から、クオ氏はアメリカのHuaweiに対する制裁は、スマホ部品の技術革新にマイナスの影響をもたらすと考えています。
コメント